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相続・片づけ

空き家の持ち主は誰か。
国の調査でわかる所有者像

国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)によると、空き家を「相続」で取得した世帯は57.9%で、取得方法の中で最も多くなっています。人が住まなくなった理由は「死亡」が43.9%で最も多く、最後に住んでいた人は「所有者の親」が36.5%でした。所有世帯の家計を主に支える者は「65〜74歳」が39.0%、「75歳以上」が26.5%です。管理しているのは所有者または同居している親族が76.8%、同居していない親族が13.5%で、調査報告は所有者または親族が約9割としています。親から相続した家を身内で管理している、という所有者像を、調査の図表で1枚に整理しました。

調査の対象

国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」は、令和5年住宅・土地統計調査(令和5年10月1日現在)で、現住居以外に空き家を所有していると回答した世帯から抽出した世帯を対象にしています。 国土交通省はこの調査を昭和55年度からほぼ5年ごとに行っており、今回が10回目です。

読むときに押さえておく点が3つあります。 1つ目は、世帯が所有する空き家だけが対象で、法人や団体が所有する空き家は含まれていないことです。 2つ目は、「所有している」が登記の有無を問わず、固定資産税を納付して現に所有している場合と、相続の手続き中の場合を指すことです。 3つ目は、推計された世帯数は集計区分どうしの比率を求めるための値で、実数として使うことは想定されていないことです。 この記事でも、割合だけを使っています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)第1章「調査の概要」(調査の内容・利用上の注意)

どのように取得したか

取得方法

取得方法割合
相続57.9%
新築・建て替え17.1%
既存住宅を購入14.2%
新築住宅を購入4.6%
贈与2.3%
その他3.8%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-24

調査報告は、建築時期が「1950年以前」の空き家では「相続」で取得した世帯が約79%、「2011年以降」では約26%で、建築時期が古くなるほど相続が増加する傾向としています(図表3-13)。 空き家の種類別では、「使用目的のない空き家」で約62%、「売却用の空き家」で約61%が相続による取得です(図表4-25)。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表3-13・4-25

相続の前の準備

相続で取得した世帯のうち、相続の前に「特に対策は講じていない」世帯は77.0%、「相続前に対策を講じた」世帯は23.0%でした(図表3-15)。 講じた対策では「被相続人との話し合い」が約17%で最も多く、ほかは少数です。 相続前に対策を講じたかどうかで、その後にも差が出ています。 空き家として所有していた割合は、対策を講じた場合で約29%、講じていない場合で約45%でした(図表3-32)。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表3-15・3-16・3-32

なぜ空き家になったか

人が住まなくなった理由

人が住まなくなった理由割合
死亡43.9%
別の住宅に転居39.0%
老人ホームなどの施設に入居10.0%
転勤など(一時的不在)3.7%
入院など(一時的不在)1.2%
不明2.2%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-43。以前は人が住んでいた空き家について集計

「相続」で取得した世帯に限ると、「死亡」により人が住まなくなった割合は約58%です(図表3-19)。 親が施設に入って空き家になった場合の手当ては親が施設に入った実家を、すぐ売らずに持ち続ける場合にやることにまとめています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表3-19

最後に住んでいた人

最後に住んでいた人割合
所有者の親36.5%
所有者(親などとの同居を含む)34.0%
借家人10.2%
所有者の親以外の親族9.0%
新築時や購入時から住んでいない7.2%
その他の人3.1%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-41

調査報告は、所有者または親族が最後に住んでいた空き家が合わせて約8割としています。 空き家の多くは、他人に貸していた家ではなく、家族が暮らしていた家です。

所有者の年齢と住まい

年齢

所有世帯の家計を主に支える者の年齢割合
49歳以下5.7%
50〜59歳14.3%
60〜64歳14.5%
65〜74歳39.0%
75歳以上26.5%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表3-5

「65〜74歳」が最も多く、「75歳以上」が次に続きます。 調査報告は、家計を主に支える者の年齢が高い世帯ほど、居住世帯のない期間が長くなる傾向とし、「20年以上」の空き家の割合を「49歳以下」で約11%、「75歳以上」で約33%としています(図表3-22)。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表3-22

住んでいる場所と所有者の数

所有世帯の居住地から空き家までの所要時間は、「徒歩圏内」が35.8%、「車・電車などで1時間以内」が40.8%で、調査報告は1時間以内を合わせて約8割としています(図表3-9)。 「車・電車などで3時間超」は10.4%です。 所有者の数は「1人(単独所有)」が84.6%、「2人以上(共有)」が14.0%でした(図表4-31)。 共有にした場合に起きることは実家を兄弟の共有名義にすると、あとで何が起きるかにまとめています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表3-9・4-31

登記と名義変更

所有者が分かっている空き家では、「名義変更を行った」世帯が約64%、「新たに不動産登記を行った」が約17%、登記と名義変更の「いずれも行っていない」が約14%でした(図表3-17)。 この質問は、相続登記が義務化された令和6年4月1日より前の、令和5年10月1日現在の状況を尋ねたものです。 「2人以上(共有)」の空き家では、「いずれも行っていない」が約24%と高くなっています(図表3-18)。 義務化の内容は相続登記の義務化。3年以内に何をすればよいのかにまとめています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表3-17・3-18

誰が管理し、どうするつもりか

主な管理者

主な管理者割合
所有者または所有者と同居している親族76.8%
所有者と同居していない親族13.5%
不動産業者、建設会社、管理専門業者など3.8%
自治会・近所の人0.9%
その他の人1.3%
誰も管理していない3.8%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表3-27(総数)

調査報告の第3章は、所有者または親族が管理している空き家を合わせて約9割としています。 業者に任せている空き家は3.8%で、管理の担い手のほとんどは身内です。 身内で管理する世帯が挙げた課題は、遠方で空き家の管理ができない。選べる手段の一覧で整理しています。

今後の利用意向

調査の時点(令和6年12月1日)も空き家であった住宅について、5年間程度のうちの利用意向は、「空き家として所有しておく」が約32%で最も多く、次いで「売却する」が約20%、「別荘やセカンドハウスなどとして利用する」が約19%でした(図表3-39)。 相続前に対策を講じていない世帯では「空き家として所有しておく」が約35%で、講じた世帯の約23%より高くなっています(図表3-40)。 持ち続けるか手放すかを決める材料は相続した実家を、売る・貸す・持ち続ける。何を基準に決めるかにまとめています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表3-39・3-40

調査結果のまとめ

調査が描く所有者は、親が亡くなって空いた家を相続し、身内で管理している世帯です。 相続の前に対策を講じた世帯では、空き家のまま所有していた割合が低くなっています(図表3-32)。 相続の前の段階で家の扱いを話し合っておくことが、その後の扱いと関係していると考えられます。

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根拠にした資料
国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)第1章、図表3-5・3-9・3-13・3-15・3-16・3-17・3-18・3-19・3-22・3-27・3-32・3-39・3-40・4-24・4-25・4-31・4-41・4-43
調査の基準日は令和5年10月1日(一部の調査事項は令和6年12月1日)で、割合は不詳を除いて集計された値です。推計された世帯数は比率を求めるための値のため、この記事では割合だけを使っています。