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貸す・活用

空き家の活用方法。
実際に選ばれているものと、その条件

空き家の活用方法は数多く紹介されていますが、実際に選ばれているものは限られています。国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)によると、今後5年間程度の利用意向は「空き家として所有しておく」が31.7%で最も多く、「売却する」19.5%、「別荘やセカンドハウスなどとして利用する」19.1%、「取り壊してさら地にする」14.1%が続きます。「賃貸する」は5.1%、「住宅以外の用途で利用する(民泊や店舗、事務所など)」は1.5%でした。実際に空き家でなくなった住宅では「売却した」21.7%、「貸した」19.5%、「所有者や親族が住むことになった」15.8%、「取り壊してさら地にした」13.6%です。選ばれている順に、それぞれの条件を調査の図表と条文で整理しました。

今後の利用意向の分布

今後5年間程度の利用意向割合
空き家として所有しておく(物置としての所有含む)31.7%
売却する19.5%
別荘やセカンドハウスなどとして利用する19.1%
取り壊してさら地にする14.1%
所有者や親族が住む(リフォームまたは建て替えする場合も含む)7.5%
賃貸する5.1%
寄付・贈与する1.5%
住宅以外の用途で所有者や親族が利用する(民泊や店舗、事務所など)1.5%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-111。令和6年12月1日時点でも空き家である住宅について集計

国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」は、令和5年住宅・土地統計調査で現住居以外に空き家を所有していると回答した世帯から抽出した世帯を対象にした調査です。 対象は世帯が所有する空き家で、法人や団体が所有する空き家は含まれていません。 利用意向の上位4つで全体の8割を超え、「賃貸する」「寄付・贈与する」「住宅以外の用途」は合わせても1割に届きません。 空き家の種類別では、「使用目的のない空き家」で「空き家として所有しておく」が40.6%と最も高く、「売却する」が18.3%、「取り壊してさら地にする」が19.2%でした(図表4-112)。 調査報告は、この2つをともに約2割としています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」第1章「調査の概要」、図表4-112

実際に空き家でなくなった住宅の行き先

利用状況の変化割合
売却した21.7%
貸した19.5%
所有者や親族が住むことになった(リフォームまたは建て替えした場合も含む)15.8%
取り壊してさら地にした(空き地にした)13.6%
住宅以外の用途で所有者や親族が利用することになった(民泊や店舗、事務所など)7.7%
転勤や入院などから戻り、住むことになった1.4%
寄付・贈与した0.9%
その他19.5%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-108。令和5年10月1日から令和6年12月1日までに空き家でなくなった住宅について集計

意向では「賃貸する」は5.1%でしたが、実際に空き家でなくなった住宅では「貸した」が19.5%で、「売却した」の21.7%に並びます。 意向の段階で賃貸を考えている世帯は少ないものの、動いた世帯の中では貸す選択が売却に近い割合で選ばれていたことになります。 「使用目的のない空き家」に限ると、「取り壊してさら地にした」が22.7%で最も高く、「貸した」「売却した」「所有者や親族が住むことになった」も約15%前後でした(図表4-109)。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-109

空き家の解消のために実施した内容は、「特に何もしていない」が38.7%で最も多く、「不動産事業者に借り手や買い手を探してもらった」が29.2%、「リフォームした」が19.3%、「専門家に相談した」が4.7%、「空き家バンクに登録した」が3.3%、「行政に相談した」が2.8%でした(図表4-110)。 何かをした世帯の多くは、不動産事業者に探してもらうか、リフォームをしています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-110

活用法ごとの条件

売却する

意向で19.5%、実際に空き家でなくなった住宅で21.7%と、持ち続ける以外では最も選ばれている道です。 今後5年間程度のうちに賃貸または売却する意向の世帯が挙げた課題は、「住宅の傷み」が43.3%、「借り手・買い手の少なさ」が40.3%、「家財などの処理」が37.4%、「設備や建具の古さ」が34.0%でした(図表4-123)。 買い手が見つからない場合の対応は、「家賃や価格を引き下げる」が45.5%、「自治体・専門家などに相談する」が42.6%、「賃貸・売却をあきらめる」が20.4%です(図表4-125)。 募集の状況は「まだ何もしていない」が48.4%、「募集中」が32.4%、「募集の準備中」が15.2%、「借り手・買い手が決定済み」が4.1%でした(図表4-122)。 相続した家を売る場合に使える特例は空き家の3000万円特別控除。使える条件を1つずつ確認するに、売ったときの税の計算は空き家を売ったときの税金にまとめています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-122・4-123・4-125

貸す

意向では5.1%ですが、実際に空き家でなくなった住宅では19.5%が「貸した」でした。 貸す場合の条件は契約の型で決まります。 普通の建物賃貸借では貸主からの更新拒絶に正当の事由が要り、定期建物賃貸借では書面での契約と契約前の書面での説明が要件です。 貸す前の課題は売却と共通で、「住宅の傷み」43.3%、「家財などの処理」37.4%、「リフォーム費用」21.4%が挙がっています(図表4-123)。 手順と費用は空き家を貸したい。個人が貸すときの手順と費用に、築年数と賃料の関係は築50年の空き家は賃貸に出せるのかにまとめています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-108・4-111・4-123

所有者や親族が住む

意向で7.5%、実際に空き家でなくなった住宅で15.8%です。 今後5年間程度のうちに所有者や親族が住む意向の世帯が挙げたきっかけは、「家族構成の変化(子の独立など)」が約35%、「高齢期の暮らし方の変化」が約32%、「転勤などから戻る」が約13%でした(図表4-128)。 現在の住まいの扱いは、「現在の住まいは賃貸のため退去する」が約38%、「ほかの親族などが住み続ける」が約30%、「売却する」が約11%です(図表4-129)。 住む前にリフォームや建て替えをする場合の費用は家の状態で決まり、最近5年間にリフォームを行った空き家の工事内容は「台所、トイレ、風呂、洗面所の改修工事」が43.6%で最も多くなっています(図表4-90)。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-90・4-128・4-129

取り壊してさら地にする

意向で14.1%、実際に空き家でなくなった住宅で13.6%です。 今後5年間程度のうちに取り壊す意向の世帯の除却費用の用意は、「貯蓄から」が56.0%、「未定」が38.3%、「補助金を利用して」が24.1%、「融資を受けて」が3.5%でした(図表4-126)。 除却後の土地は「売却する」と「そのままにしておく」がともに31.9%、「所有者が利用する(畑や菜園など)」が21.3%、「賃貸する」が2.1%です(図表4-127)。 取り壊すと、土地は地方税法第349条の3の2が定める住宅用地の課税標準の特例の対象から外れ、一方で家屋の分の固定資産税はかからなくなります。 増える額は市区町村の算定によるため、条文の率だけでは決まりません。 詳しくは更地にすると固定資産税はいくら上がるのかに、補助金の探し方は空き家の解体に補助金は出るのかにまとめています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-126・4-127/地方税法(昭和25年法律第226号)第349条の3の2

別荘やセカンドハウスとして使う

意向で19.1%と、売却に並ぶ割合です。 調査時点の利用状況でも「別荘やセカンドハウスなどとして利用していた」が25.0%ありました(図表4-91)。 「二次的住宅・別荘用の空き家」は、管理の内容の上位3項目(外回りの清掃、戸締まりの確認、通風・換気)がそれぞれ8割以上で、他の種類の空き家より高くなっています(図表4-66)。 使う家は手が入る、という関係が調査に表れています。 一方で、年間の維持管理に要する費用は、「使用目的のない空き家」と「貸家用の空き家」が5万円未満がそれぞれ6割弱と約6割で、他の種類より低くなっています(図表4-75)。 使い続けるほど費用はかかると考えられます。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-66・4-75・4-91

住宅以外の用途、寄付・贈与

「住宅以外の用途で所有者や親族が利用する(民泊や店舗、事務所など)」は意向で1.5%、実際に空き家でなくなった住宅で7.7%です。 住宅を別の用途で使う場合は、建物の用途や営業に関わる法令の確認が要ります。 条件は自治体の窓口で確かめられます。 「寄付・贈与する」は意向で1.5%、実際には0.9%でした。 寄付を受け入れるかどうかと条件は、受け入れる側(自治体・法人など)が決めます。 相続した土地を国に引き取ってもらう制度は、建物のある土地には使えません。 相続土地国庫帰属制度は、空き家のある土地に使えるのかにまとめています。

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-108・4-111

空き家のまま持つ場合

意向で最も多いのは「空き家として所有しておく」の31.7%です。 その理由は、「物置として必要」が55.8%、「解体費用をかけたくない」が47.3%、「住宅の古さ」が37.0%、「さら地にしても使い道がない」が34.8%、「取り壊すと固定資産税が高くなる」が28.2%、「好きなときに利用や処分ができなくなる」が27.6%、「特に困っていない」が26.6%、「将来自分や親族が使うかもしれない」が25.1%でした(図表4-130)。 活用しない選択にも理由があり、調査はそれを否定していません。 持ち続ける場合に条文が求めているのは、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)第5条の、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切な管理に努めることです。

空家法第5条

空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する空家等に関する施策に協力するよう努めなければならない。

出典:空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)第5条/国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-130

解体しない理由は空き家をなぜ解体しないのか。解体しない側の4つの理由に、持ち続ける場合に最小限やることは売れない・貸せない空き家をどうするか。持ち続ける場合の最小限にまとめています。

調査結果のまとめ

実際に選ばれているのは、売る・貸す・住む・取り壊すの4つと、別荘として使う、そして空き家のまま持つです。 民泊や店舗などの用途は、意向で1.5%にとどまります。 どの道を選ぶ場合も、傷みと家財の処理が先に立つ課題として調査に出ています。 決めるまでのあいだも家は傷むため、決める前の管理と、決めたあとの手順を分けて考えることが、調査から導ける順番です。

誰も住まないご実家を、毎月みまもります

貸すか、売るか、持ち続けるか。決めるまでの間も空き家は傷みます。
担当が月1回訪問して状況を確認し、写真つきの報告書でお送りします。月2,750円(税込)から、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で承っています。

お申し込みはネットで完結します。所要3分ほどです。

根拠にした資料
国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)第1章、図表4-66・4-75・4-90・4-91・4-108・4-109・4-110・4-111・4-112・4-122・4-123・4-125・4-126・4-127・4-128・4-129・4-130
空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)第5条
地方税法(昭和25年法律第226号)第349条の3の2
調査の割合は不詳を除いて集計された値です。今後の利用意向は令和6年12月1日時点でも空き家である住宅について、利用状況の変化は令和5年10月1日から令和6年12月1日までに空き家でなくなった住宅について、賃貸・売却の課題と除却費用は今後5年間程度のうちにそれぞれの意向がある世帯について集計されています。条文は e-Gov 法令検索で確認した現行法です。