空き家の管理は実際どのくらいされているのか。
国の調査でわかる管理者・作業・頻度・費用
国の
国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)によると、空き家を管理しているのは所有者または同居している親族が76.8%、同居していない親族が13.5%で、業者に任せている空き家は3.8%、誰も管理していない空き家も3.8%あります。管理者がいる空き家では、作業の内容は「外回りの清掃、草取り、剪定など」が79.5%で最も多く、頻度は「月に1〜数回」が34.0%で最も多くなっています。年間の維持管理費用は5万円未満の空き家が合わせて約5割で、「費用はかかっていない」が12.1%でした。誰が・何を・どのくらいの頻度で・いくらかけて管理しているのかを、調査の図表で1枚に整理しました。
調査の対象と読み方
国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」は、令和5年住宅・土地統計調査で現住居以外に空き家を所有していると回答した世帯から抽出した世帯を対象にした調査です。 対象は世帯が所有する空き家で、法人や団体が所有する空き家は含まれていません。 管理者・心配事・課題・費用は所有している空き家の総数について集計され、管理の内容と頻度は管理者がいる空き家について集計されています。 集計の母数が違うため、この記事では図表ごとに何についての割合かを書いています。 推計された世帯数は比率を求めるための値のため、割合だけを使っています。
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)第1章「調査の概要」
誰が管理しているか
| 主な管理者 | 割合 |
|---|---|
| 所有者または所有者と同居している親族 | 76.8% |
| 所有者と同居していない親族 | 13.5% |
| 不動産業者、建設会社、管理専門業者など | 3.8% |
| 自治会・近所の人 | 0.9% |
| その他の人 | 1.3% |
| 誰も管理していない | 3.8% |
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-63
管理の担い手のほとんどは所有者とその親族です。 業者が管理している空き家は3.8%で、空き家の種類別では「貸家用の空き家」で13.9%、「売却用の空き家」で7.5%と、他の種類より高くなっています(図表4-64)。 使う予定の決まっていない空き家ほど、身内で管理している割合が高いと読めます。 所有者像そのものは空き家の持ち主は誰か。国の調査でわかる所有者像にまとめています。
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-64
何をしているか
| 管理の内容(複数回答) | 割合 |
|---|---|
| 外回りの清掃、草取り、剪定など | 79.5% |
| 戸締まりの確認 | 74.9% |
| 住宅の通風・換気 | 66.9% |
| 郵便物、チラシなどの整理・処分 | 57.0% |
| 住宅内の清掃 | 55.4% |
| 台風、地震などの後の見回り | 49.3% |
| 傷み、雨漏りなどのチェック・修繕 | 48.3% |
| 水回りなどの点検・通水 | 43.3% |
| 除排雪 | 16.6% |
| その他 | 6.2% |
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-65。管理者がいる空き家について集計
上位3つは外回りの手入れ、戸締まり、通風・換気で、家の外から見える部分と、鍵と窓を開ける作業が中心です。 一方で、「傷み、雨漏りなどのチェック・修繕」は48.3%、「水回りなどの点検・通水」は43.3%で、管理者がいる空き家でも半数に届いていません。 空き家の種類別では、上位3項目はどの種類でも同じで、「二次的住宅・別荘用の空き家」はそれぞれの割合が8割以上と高くなっています(図表4-66)。 放置した家の中で何が先に変わるかは空き家を1年放置すると、家の中で何が起きるかにまとめています。
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-66
どのくらいの頻度か
| 管理の頻度 | 割合 |
|---|---|
| ほぼ毎日 | 17.7% |
| 週に1〜数回 | 19.1% |
| 月に1〜数回 | 34.0% |
| 年に1〜数回 | 27.6% |
| 数年に1回 | 1.6% |
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-67。管理者がいる空き家について集計
調査報告は、月に1回以上を合わせると約7割としています。 「年に1〜数回」も27.6%あり、管理者がいる空き家の4分の1強は、季節に1回程度しか人が入っていないことになります。 空き家の種類別では、「貸家用の空き家」と「売却用の空き家」は月に1回以上が合わせて約6割で、他の種類より頻度が低くなっています(図表4-68)。 建築時期別では、「2011年以降」の空き家は月に1回以上が約9割で、2010年以前では建築時期による大きな差は見られません(図表4-69)。
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-68・4-69
いくらかかっているか
| 年間の維持管理に要する費用 | 割合 |
|---|---|
| 費用はかかっていない | 12.1% |
| 1万円未満 | 10.6% |
| 1〜3万円未満 | 14.1% |
| 3〜5万円未満 | 11.0% |
| 5〜10万円未満 | 15.6% |
| 10〜20万円未満 | 16.7% |
| 20〜30万円未満 | 8.5% |
| 30万円以上 | 8.5% |
| 不明 | 2.9% |
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-74。調査の基準日は令和5年10月1日
調査報告は、「10〜20万円未満」が約17%で最も高く、5万円未満を合わせると約5割としています。 空き家の種類別では、「使用目的のない空き家」と「貸家用の空き家」は5万円未満がそれぞれ6割弱と約6割で、他の種類より費用が低くなっています(図表4-75)。 この費用には何を含めて答えたかの区分が示されていないため、固定資産税や光熱費を含むかどうかは回答者によって異なると考えられます。 管理を頼んだ場合の費用は遠方で空き家の管理ができない。選べる手段の一覧にまとめています。
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-75
心配事と課題
管理面での心配事
| 管理面での心配事(複数回答) | 割合 |
|---|---|
| 住宅の腐朽・破損の進行 | 75.7% |
| 樹木・雑草の繁茂 | 58.0% |
| 地震、台風、豪雪などによる住宅の損壊・倒壊 | 56.9% |
| 不審者の侵入や放火 | 51.7% |
| 心配事はない | 37.0% |
| 動物の棲みつき | 26.2% |
| 門・塀・擁壁などの腐朽・破損の進行 | 20.2% |
| 地域の景観への悪影響 | 9.9% |
| 害虫の発生等による周辺住民への健康被害 | 9.2% |
| ゴミの放置等による悪臭の発生 | 2.4% |
| 落雪による通行障害など | 2.2% |
| その他 | 6.0% |
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-61
心配事の上位は、家そのものの傷み、樹木・雑草、災害による損壊、不審者と放火で、いずれも5割を超えています。 空き家の種類別では、「売却用の空き家」で「不審者の侵入や放火」が43.8%と高く、「貸家用の空き家」と「二次的住宅・別荘用の空き家」では「心配事はない」がそれぞれ29.7%と32.0%でした(図表4-62)。
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-62
管理をする上での課題
| 管理をする上での課題(複数回答) | 割合 |
|---|---|
| 管理の作業が大変 | 31.7% |
| 課題はない | 30.5% |
| 住宅を利用する予定がないので管理しても無駄になる | 27.1% |
| 管理費用の負担が大きい | 22.5% |
| 遠方に住んでいるので往訪が困難 | 21.6% |
| 管理を頼める人や業者がいない | 5.9% |
| その他 | 8.8% |
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-79
心配事では「住宅の腐朽・破損の進行」が75.7%ある一方で、課題では「住宅を利用する予定がないので管理しても無駄になる」が27.1%あります。 傷むのは心配だが、使う予定がないので手をかける理由が見つからない、という状態が一定数あると考えられます。 取得方法別では、自らの意思で「新築・建て替え」「新築住宅を購入」「既存住宅を購入」した世帯で「課題はない」が約38〜45%と最も高くなっています(図表4-81)。
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-81
頻度の違いが結果に出る場所
| 管理の頻度 | 構造上の不具合が生じていた | 令和6年12月1日時点で空き家ではない |
|---|---|---|
| ほぼ毎日 | 15.3% | 26.1% |
| 週に1〜数回 | 16.3% | 17.5% |
| 月に1〜数回 | 17.5% | 17.7% |
| 年に1〜数回 | 24.3% | 12.1% |
| 数年に1回 | 33.3% | 10.5% |
出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」図表4-58・4-104
管理の頻度は、家の傷みと、その後に空き家でなくなったかどうかの両方に差として表れています。 「構造上の不具合が生じていた」空き家の割合は、月に1回以上では約15〜18%で、「年に1〜数回」で約24%、「数年に1回」で約33%です(図表4-58)。 令和6年12月1日時点で「現在空き家ではない」と回答した割合は、「ほぼ毎日」で約26%、「数年に1回」で約11%でした(図表4-104)。 これは頻度と結果の相関であり、調査は因果を示していません。 所要時間別では向きが逆になることも含め、読み方は空き家の管理は月に何回必要か。国の調査でわかる頻度と傷みの関係にまとめています。
調査結果のまとめ
- 管理しているのは所有者または同居親族が76.8%、同居していない親族が13.5%で、業者は3.8%、誰も管理していない空き家が3.8%です(図表4-63)
- 作業は「外回りの清掃、草取り、剪定など」79.5%、「戸締まりの確認」74.9%、「住宅の通風・換気」66.9%が上位で、「水回りなどの点検・通水」は43.3%でした(図表4-65)
- 頻度は「月に1〜数回」34.0%が最も多く、月に1回以上が約7割、「年に1〜数回」が27.6%です(図表4-67)
- 年間の維持管理費用は5万円未満が約5割、「10〜20万円未満」が16.7%で最も多く、「費用はかかっていない」が12.1%でした(図表4-74)
- 心配事は「住宅の腐朽・破損の進行」75.7%が最も多く、課題は「管理の作業が大変」31.7%、「課題はない」30.5%が並びます(図表4-61・4-79)
- 「構造上の不具合が生じていた」は月に1回以上で約15〜18%、「数年に1回」で約33%。空き家でなくなった割合は「ほぼ毎日」約26%、「数年に1回」約11%でした(図表4-58・4-104)
調査が示すのは、身内が月に1回前後の頻度で、外回りと戸締まりと換気を中心に、年5万円未満で管理しているという姿です。 一方で、水回りの通水と傷みのチェックは半数に届いておらず、季節に1回程度しか人が入らない空き家も4分の1強あります。 管理の中身と頻度をどう決めるかは、頻度と傷みの関係と、遠方で管理できない場合の手段を続けてお読みください。
誰も住まないご実家を、毎月みまもります
貸すか、売るか、持ち続けるか。決めるまでの間も空き家は傷みます。
担当が月1回訪問して状況を確認し、写真つきの報告書でお送りします。月2,750円(税込)から、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で承っています。
お申し込みはネットで完結します。所要3分ほどです。
根拠にした資料
国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)第1章、図表4-58・4-61・4-62・4-63・4-64・4-65・4-66・4-67・4-68・4-69・4-74・4-75・4-79・4-81・4-104
調査の基準日は令和5年10月1日(空き家解消の有無は令和6年12月1日)で、割合は不詳を除いて集計された値です。管理の内容と頻度は管理者がいる空き家について、それ以外は所有している空き家の総数について集計されています。