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ホームお役立ちコラム実家の片付けを業者に頼むと、料金は何で決まるのか
相続・片づけ

実家の片付けを業者に頼むと、
料金は何で決まるのか

先に断っておきます。この記事に間取り別の相場は載せていません。各社の公開料金を同じ条件でそろえて比べた原典を当社が持っておらず、裏の取れない金額を書かない決まりにしているためです。代わりに、見積もりの金額が何で組み立てられているかを条文にあたって整理しました。家庭から出た廃棄物を業として運ぶには、同項のただし書に当たる場合を除いて市町村長の許可が要り(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条第1項)、許可を受けた業者が受け取れる料金には条例による上限があります。

一つの金額にならないのか

作業の対価と、処分の費用は別のもの

片付けを頼んだときに払う金額は、大きく2つに分かれます。

  1. 作業の対価。仕分け・梱包・搬出にかかる人手と時間
  2. 処分の費用。出た廃棄物を運び、処理するための費用

前者は現場の条件で動きます。後者には、次章で見るとおり市町村が条例で定める手数料が関わります。 性質の違う2つを1つの総額で示されると、何が高いのかが見えなくなります。

この記事で金額を示さない理由

間取り別の相場を示すには、各社の公開料金を同じ条件(作業人数・搬出経路・処分費の扱い・地域)でそろえて比べた資料が要ります。 当社はその資料を原典として持っていません。

条件のそろっていない金額を並べると、比べられないものを比べたことになります。 そのため、この記事では金額ではなく、金額を動かしているものを示します。

家庭のごみを業として運ぶには、市町村長の許可が要る

許可の根拠

住まいから出た廃棄物は、事業活動に伴って生じたものを除き、一般廃棄物にあたります(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条)。 これを業として集めたり運んだりするには、許可が要ります。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条第1項

一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、一般廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその一般廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。

出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第7条第1項

許可を出すのは市町村長です。都道府県の産業廃棄物の許可とは別のもので、区域ごとに分かれています。 隣の市で許可を受けている業者が、こちらの市でも運べるとは限りません。

許可を受けた業者の料金には、条例の上限がある

同条第12項は、許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者と一般廃棄物処分業者について、 一般廃棄物の収集・運搬・処分につき、市町村が条例で定める手数料の額に相当する額を超える料金を受けてはならないと定めています。

出典:同法第7条第12項

ただし、上限が及ぶのは一般廃棄物の収集・運搬・処分についての料金です。 仕分けや梱包、家具の解体、階段からの搬出といった作業そのものの対価まで、この項が定めているわけではないと考えられます。 「処分費は条例の額まで、作業費は現場の条件で」という二階建てになっていると読むのが、条文に沿った理解です。

無許可の回収に渡すと何が起きるか

廃棄物を捨てる行為そのものについて、法は次のとおり定めています。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条

何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

出典:同法第16条

無許可で一般廃棄物の収集運搬を業として行った者、および廃棄物を捨てた者は、 5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金、またはその併科と定められています。

出典:同法第25条第1項第1号・第14号

罰の対象になるのは、その行為をした者です。 頼む側が事前に確かめられるのは、その業者が市町村の許可を受けているかという点になります。 無料回収をうたう車に渡した荷物がどこへ行くかは、渡した側からは追えません。

家電リサイクル法の対象は、別の仕組みで動く

対象の品目は政令で決まる

家電リサイクル法第2条第4項は、「特定家庭用機器」を、一般消費者が通常生活の用に供する機械器具のうち、 再商品化等が困難であることなど4つの条件にいずれも該当するものとして政令で定めるもの、と定義しています。

出典:特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号)第2条第4項

具体的にどの機器が対象かは政令にあり、当社はその政令を原典として持っていません。 そのためこの記事では品目名を挙げません。対象かどうかは、市区町村の案内または販売店にご確認ください。

料金が2つに分かれる

対象の機器が廃棄物になったものについて、法は次の3つを定めています。

条文定めていること
家電リサイクル法第9条小売業者は、自らが過去に販売した機器などを引き取る義務を負う
同法第11条小売業者は、引き渡すための収集及び運搬に関する料金を請求できる
同法第19条製造業者等は、再商品化等に必要な行為に関する料金を請求できる

いずれにも条文上の例外があります。第9条の引取義務は正当な理由がある場合を除きとされており、 第19条の料金の請求は引取りに先立って料金を受領している場合として主務省令で定める場合には及びません。

出典:特定家庭用機器再商品化法 第9条・第11条・第19条

運ぶお金とリサイクルするお金が、別々に立つ仕組みです。 片付けの見積もりにこの2つが含まれているのか、別枠なのかで総額は変わります。 額そのものは主務省令や各社の公表に委ねられているため、この記事では扱いません。

見積もりで確かめること

金額を動かすもの

条文が決めているのは枠組みまでで、実際の金額は現場の条件で動きます。見積もりが変わる要素を挙げます。

  1. 物の量。運び出す量が積み込みの回数を決める
  2. 人手と日数。仕分けを頼むのか、運び出しだけを頼むのか
  3. 搬出の経路。階段か、エレベーターがあるか、車を建物の近くに寄せられるか
  4. 分けてあるかどうか。分別が済んでいるほど作業は短くなる
  5. 別枠になる品目。家電リサイクル法の対象、消火器、タイヤ、金庫、仏壇など
  6. 運ぶ距離。処分先までの距離と、許可を受けている区域

これらは家ごとに違います。現地を見ないまま出た総額は、当日に動く可能性がありますと考えられます。

見積書に書いてもらう項目

  1. 一般廃棄物収集運搬業の許可。どの市町村のものか
  2. 作業の対価と処分の費用の内訳。総額だけの見積書では比べられない
  3. 別料金になる品目。どれが基本に含まれ、どれが別か
  4. 追加が出る条件。量が増えた場合、駐車できなかった場合にどうなるか
  5. 作業後に残るもの。残す物を先に伝え、書面に残す

2社以上から取ると、内訳のどこが違うかが見えます。 金額よりも先に、内訳の粒度がそろっているかを見るほうが比べやすくなります。

家財の処理は、売却や活用の前に立ちふさがる

賃貸・売却の課題の3番目に来る

国土交通省が2025年8月に公表した「令和6年空き家所有者実態調査結果」では、 今後5年程度のうちに賃貸または売却する意向の世帯が挙げた課題は、住宅の傷みが43.3%、借り手・買い手の少なさが40.3%、 家財などの処理が37.4%でした。

出典:国土交通省住宅局「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)図表3-44(複数回答)

家の値段や場所の問題と並んで、中の物をどうするかが課題として挙がっています。

持ち続ける理由にもなっている

今後5年程度は空き家として所有しておく意向の世帯が挙げた理由では、 家財などの処理が困難が21.6%、仏壇など他に保管場所がないものがあるが21.6%でした。

出典:同調査 図表3-45(複数回答)

主要な理由の第1位として家財などの処理が困難を挙げた世帯は2.6%です。

出典:同調査 図表3-46

片付けは、それ自体が目的というより次に進むための入口になっています。 入口で止まっている間も、家は傷み、税と保険は毎年かかります。

調査結果のまとめ

金額そのものは、原典で裏の取れた形でお示しできませんでした。 その代わりに確かめられるのは、許可の有無と、内訳の書き方です。 この2つがそろっている見積書どうしなら、金額を並べて比べられると考えられます。

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根拠にした資料
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条・第7条第1項・第7条第12項・第16条・第25条第1項
特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号)第2条第4項・第9条・第11条・第19条
国土交通省住宅局「令和6年空き家所有者実態調査結果」(令和7年8月)図表3-44・図表3-45・図表3-46
条文は2026年9月15日に e-Gov 法令検索で確認しました。間取り別の片付け費用の相場、家電リサイクル料金の額、市町村ごとの手数料の額は、同じ条件でそろえた原典を用意できなかったため、この記事では扱っていません。実際の費用は複数の業者から内訳つきの見積もりを取り、廃棄物の扱いはお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。