空き家管理支援センター 無料LINE相談
ホームお役立ちコラム築50年の空き家は賃貸に出せるのか
貸す・活用

築50年の空き家は賃貸に出せるのか。
全国10,954件の空き家バンクを調査した

「こんな古い家、誰も借りない」。空き家のご相談で、いちばん多く聞く言葉です。 この認識が実態と合っているかを確かめるため、自治体が公開している空き家の情報を全国から収集し、集計しました。 結論から書くと、いま賃貸に出ている空き家の72%は築40年以上で、 賃料は築30年を過ぎるとほとんど下がらなくなります。

調査の方法と対象

調査対象の絞り込み

全国の市区町村が運営する「空き家バンク」に載っている物件を、2026年9月時点で集めました。 集まったのは585自治体・10,954件です。このうち賃貸として募集されているのが683件。 さらに築年数と賃料の両方が記載されているものに絞ると、403件が残りました。この403件が、今回の分析の中心です。

空き家バンクは自治体が運営しているため、不動産ポータルサイトには載らない物件が多く含まれます。 「不動産会社が扱いたがらない、古くて安い家」がまとまって見られる、数少ない場所です。

本調査の制約

本記事に記載した賃料はすべて「募集賃料」であり、実際に契約が成立した金額ではありません。 募集賃料は成約賃料より高く出る傾向があるため、実勢の賃料は本記事の金額よりやや低いと考えられます。 また、空き家バンクに載っていない物件は含まれていません。

賃貸募集中の空き家の築年数は中央値48年

築年数の分布

まず、築年数の分布です。賃貸として募集されている空き家の築年数は、中央値で48年でした。 築40年以上が72%、築50年以上でも44%を占めます。

賃貸で募集されている空き家の築年数

全国の空き家バンク/築年数と賃料が判明した403件

築20年未満8
築20〜29年30
築30〜39年76
築40〜49年113
築50〜59年105
築60年以上71
0件113件

築40〜59年のゾーンに、全体の半分以上(54%)が集まっています。

築年数と賃料(中央値)

同403件。賃料20万円超の3件は外れ値として除外

築20年未満7.5
築20〜29年6.2
築30〜39年5.0
築40〜49年5.0
築50〜59年4.5
築60年以上4.0
0万円7.5万円

築30年から築60年までの下落幅は、月額1万円にとどまります。

本調査で確認した最も古い物件

本調査で確認したなかで最も古い物件は築126年でした。福井県坂井市の7DKで、 月11万円で募集されています。築100年を超えた住宅が、月額11万円で借り手を募集しているのが実態です。

賃料は築30年でほぼ下げ止まる

築30年以降の下落幅は月額1万円

「築年数と賃料」のグラフに、本調査で最も重要な傾向が表れています。

築20年未満の7.5万円から築30年台の5.0万円まで、賃料は33%下がります。 ところが、そこから先の下がり方は緩やかです。築30年台の5.0万円が、築60年以上でも4.0万円。30年かけて20%しか下がっていません。

築年数が決め手にならない理由

つまり、家の賃料は最初の30年でほぼ下がりきり、そのあとは横ばいに近づきます。 これは、築30年を超えた住宅を借りる層が「新しさ」を条件にしていないためと考えられます。 広さ、庭、駐車場、家賃の安さ。求めているものが別なので、あと10年古いかどうかは決め手になりません。

「築50年だから」という築年数のみを理由に賃貸を断念する根拠は、本調査のデータからは見当たりません。 築40年でも築60年でも、賃料の差は月5,000円程度です。

賃料を左右するのは築年数よりも間取り

築40年以上の物件の間取り別賃料

では、何が賃料を決めているのか。築40年以上の物件だけを取り出して、間取り別に賃料を並べたところ、 築年数よりはるかに大きな差が出ました。

間取り別の賃料(中央値)/築40年以上の物件のみ

同じ空き家バンクのデータ。12件以上ある間取りのみを掲載

4LDK7.2
5LDK5.5
5DK5.2
4DK5.0
3K4.5
6DK4.4
3DK4.1
2DK3.4
4K3.0
0万円7.2万円

同じ「4部屋」でも、4LDK は 7.2万円、4DK は 5.0万円、4K は 3.0万円。部屋数ではなく、居間の作りで並んでいます。

数値で示すと、差は次のとおりです。

間取り賃料の中央値4Kとの差
4LDK7.2万円約2.4倍
4DK5.0万円約1.7倍
4K3.0万円

部屋の数は同じ4つです。違うのは、食事をする場所と居間が独立してひと続きになっているか(LDK)、 食事の場所だけあるか(DK)、台所しかないか(K)という一点だけ。 それだけで、賃料が2.4倍変わっています。

築40年以上の住宅は、その多くが「K」または「DK」です。ここを改修して LDK にできるかどうかが、 築年数以上に賃料を左右します。壁を1枚撤去できるかどうかという問題に帰着する場合も少なくありません。

間取りと賃料の関係を読む際の注意

間取りの表記は募集する側が付けたもので、統一された基準はありません。同じ広さでも「4DK」と書く人と「3LDK」と書く人がいます。 また、LDK の物件はもともと立地の良い場所に多い可能性もあり、間取りだけが賃料の原因だとは言い切れません。 本調査の結果は、「LDK に改修すれば賃料が2.4倍になる」ことを示すものではありません

賃料が伸びにくい物件に共通する4つの条件

ここまで「古くても貸せる」と書いてきましたが、貸しにくい家がないわけではありません。 賃料が極端に低い物件には、次の4つの条件が共通していました。

逆に、この4条件に当てはまらなければ、築50年・築60年の住宅でも借り手が見つかる可能性は十分にあります。

調査結果のまとめ

  • 賃貸で募集されている空き家の築年数は中央値48年。築40年以上が72%を占める。
  • 賃料は築30年でほぼ下げ止まる。築30年台5.0万円が、築60年以上でも4.0万円。
  • 築年数より「居間の作り」のほうが賃料に効く。築40年以上でも、4LDK は 4K の約2.4倍。
  • 貸しにくいのは、部屋数が多すぎる家、賃貸の取引がない町、構造に問題がある家、駐車場がない家。
  • いちばん古い物件は築126年で月11万円。築年数のみが賃貸の可否を決めているわけではない。

建築年は変えられません。しかし、それが賃貸の可否を決めているわけではないというのが、本調査から得られた結論です。 判断の基準になるのは築年数ではなく、その地域に賃貸の需要があるか、そして手を入れて住める状態にできるかの2点です。

誰も住まないご実家を、毎月みまもります

貸すかどうかを決めるまでの間も、空き家は傷みます。
担当が月1回訪問して状況を確認し、写真つきの報告書でお送りします。月2,750円(税込)から、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で承っています。

お申し込みから契約・お支払いまで、すべてインターネットで完結します。書類の印刷や郵送、ご来店は必要ありません。所要3分ほどです。

住みたいという方が見つかった場合は、ご契約が自動的に弊社の借上げに切り替わり、毎月の管理費は0円になります。

データについて
全国585自治体の空き家バンク掲載情報10,954件(2026年9月時点で当社が集計)。 うち賃貸として募集されている683件、さらに築年数と賃料の双方が記載されている403件を分析対象としました。 賃料20万円を超える3件は、住宅としての実勢から外れるため除外しています。 賃料はいずれも募集時点の金額であり、成約賃料ではありません。 築年数は2026年時点での経過年数です。
参考:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」